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\ interview /インタビュー

扇和会代表 日高 加津子 さん

舞台に立って 踊りたい

民踊と日本舞踊の二刀流!

文京区で生まれ育ち、結婚後は夫の転勤で26年文京の地を離れていました。夫の定年のタイミングで文京区に戻ってきました。ある日、民踊と日本舞踊のつどいを見に行き、「私もあの舞台に立って踊りたい!」という思いになりこの活動を始めました。
日本舞踊は中学の頃から始め、名取、師範までとりましたが、子育て中は全く踊っていませんでした。最初は4人からスタートし、同級生などにも声をかけ、だんだん仲間を増やしていきました。活動を始めてもう15年程、年1、2回、舞台に立つことを目標に楽しく活動しています。

斬新!手作り民踊で特別賞

会では主に新民踊を踊っています。舞台では着物が基本ですが、なるべくお金をかけず、持っているものや、安い材料で工夫した小物等で統一感を出しています。
様々なジャンルの音楽を使って、私が振付案を考え提示し、みんなで意見を出し合いながら作り上げています。一つの踊りの中で曲調に合わせて変化をつけ、一人ひとりが輝ける箇所を作る等をして構成を考えています。そういった努力もあり、東京都主催の老人芸能大会に区の代表として参加し、審査員特別賞を受賞しました。曲と踊りの構成が斬新という点を評価いただいたようです。
日本舞踊は昔からの様式が決まっていますが、新民踊・新舞踊は自由です。ただ民踊ではその土地の人の思いは尊重すべきだと思っています。日本舞踊の教えとして、ものや人に対して丁寧で優しく、大きな心をもって相手を包み込む様に踊るというのがあります。そして四季折々の細かい変化、日常の出来事等を繊細に気付く、感性を磨くことが求められます。民踊も同じように、感性を磨きながら表現を豊かにすることが大切だと思っています。

一歩踏み出した先にあるもの

踊ることの魅力をどのように伝え、どうしたら仲間と楽しく踊ることができるかを常に考えています。夜中にふと目覚めて、振り付けをメモすることもあります。使用する音楽は様々な曲を聞いて見つけだし、曲調の違うものをつなげる等一人でやっています。
健康を維持するためにも様々な動きをする「踊り」は、体幹、足腰が鍛えられ運動量も多く、何より仲間と作り上げる喜びもあるので、私は良い美容体操だと感じています。年1回でも舞台に立つという事は、緊張感もあり、いつもはしないお化粧をして、シャキっとした気持ちにもなります。一度舞台に立つとまた来年も!と新たな意欲も出てきます。
いくつになっても目標を持つことは生きる上での励みになります。民踊のつどいの運営委員にもなり、他の団体の方たちとも知り合いになりました。今は体が動く限り、続けていきたいと思っています。  
日本の伝統芸能の魅力を子どもたちや若い人に知ってほしいので、いろんな方に舞台を見ていただけたらなと思っています。これから何かをやりたいと思っている皆さん、一歩踏みだして、自分のやりたいことを見つけることで今までと違う景色、人に出会えますよ。


このページを執筆したセカンドステージサポートゼミの方と一枚


インタビューの様子

\ 取材後記 /

心底楽しそうに活動や夢を語る日高さんは、伝統を守りつつ新しいアイディアを模索するパワーにあふれていらっしゃいます。民踊は自由で、衣装や小物、音楽や振り付け等仲間と工夫し作り上げる楽しさがあるのだと感じました。
敷居の高いイメージだった「踊り」の魅力に気づかされ、奥深い知らない世界をのぞいてみたくなりました。好きなことに打ち込む日高さんからシニアの「生きがい」について考える道しるべを与えて下さった気がします。