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\ interview /インタビュー
武市 和彦さん ぶんぶく屋上養蜂部
活動を続けていく秘訣は„楽しさ"
養蜂が地域デビューの きっかけに
現役時代は医療福祉で仕事をしていて、地域の街づくりや健康づくりなどに携わってきました。文京区フレイルサポーターの1期生として、フレイル予防について学び、実際にフレイルサポーターとしての活動を現在も続けています。フレイル予防には、適度な運動、栄養摂取、社会参加が大切といわれていますが、中でも一番効果的なのは社会参加だという研究結果があります。
退職後、フレイルサポーターの仲間と「何か一緒にやれることはないか」と話していたとき、養蜂の話が出て、サポーター3人でぶんぶく屋上養蜂部の活動をスタートしました。もちろん3人とも養蜂は素人です。地域とあまり関わらずに、仕事をしてきた男性が、退職後に地域デビューをすることはなかなか難しいことです。そんな男性たちのフレイル予防、社会参加として養蜂部が受け皿になれればと考え、立ち上げました。
インタビューの様子
ぶんぶく屋上養蜂部の活動
現在、コアメンバーは男性5人と女性4人です。女性は比較的若い世代の方で、子育て中の方などもいます。男性は退職後の方が多いです。養蜂に興味があったが、自分の家ではできないと思っているところに、この話を知って参加された方、花に興味がある方、皆さんいろいろです。企業ビルの屋上で、週に一度、巣箱の中を確かめる活動などを行っています。
一年のうち、春から夏にかけて採蜜をします。防護服を着ているので夏場はとても暑くて大変です。若い方の力を借りながらSNS への情報発信、動画をアップしたりもしています。
2019年に取り組みを始め、昨年は27㎏の採蜜ができました。「百花蜜」という名前をつけ、サポーターや地域の協力会社に120㏄の瓶で200本を会の活動への支援として購入していただいています。このほか、蜂蜜を使ったマドレーヌ作りや、養蜂の知識を広げる講座をしています。
写真:屋上での採蜜の様子
モットーは“ 養蜂で街づくり”
私たちの活動のモットーは、“ 養蜂で街づくり”です。まずは活動を楽しみ、それをもっと広げていければと思っています。単にボランティアというのではなく、活動で得た収益をそれぞれのメンバーに還元できたらと考えています。そのために、蜂蜜を使って、新しい商品づくりにチャレンジしたいと思っています。例えば、蜜ろうキャンドルや蜜ろうを使ったラップなどです。蜜ろうラップは衛生的にも、何度も再利用できるという点においても優れものです。
新しい商品づくりの実現には、採蜜量を増やす必要があります。そのため2023年度はもう1拠点増やすつもりです。
また、法人格の取得も検討中です。会社社会で生きてきた皆さんにもっと参加してもらうためにも、一定の対価は必要です。「活動をしてやりがいもある」「人とのつながりもなかなかいいな~」そう思っていただくためには、参加しやすいように間口を広げることが大切だと考えています。今の組織をきちんと維持し、仲間を増やしていきたいと思っています。
少しの勇気を持って 新しい活動へ
地域に出て活動に参加するためには、少しの勇気は必要です。養蜂に限らず、やったことのないことでも、今までの経験を活かせることに出会えます。また人との新たな出会いやつながりもできます。「興味を持てるものに出会って、楽しんで活動すること」、それが一番大切です。
このページを執筆したセカンドステージサポートゼミのみなさんと一枚
\ 取材後記 /
セカンドステージを歩む先輩から、貴重なお話を伺うことができました。一番印象に残った言葉は「大切なのは、興味を持てるものに出会って、楽しんで活動すること」です。この姿勢こそがすべての原動力なのではないかと感じました。
3人でスタートした小さな活動が、「街づくり」という大きなスケールを持った活動に広がっていくお話を聞いて、私たちもワクワクしました。1人でも多くの方に蜂蜜が届くことを願っています。