\ interview /インタビュー
水野 一典さん(右) 西村 仁さん(左) まきばメイルクワイア
芝生から始まった男声合唱団
スタートは校庭の芝生化を めざすボランティア活動
私たちは、「小学校の校庭を芝生化しよう!」というPTA 会長の提案を実現するために集まった父親たちのボランティアグループです。校庭を耕し、芝生を植えるという作業は、そう簡単なものではなかったのですが、何度も集まって作業をする中で、つながりが濃くなり、ソフトボールをやったり、飲み会を開いたりするようになりました。「この後に何かやれることはないか?」という声も出てきました。
そんなときに、当時保護者だった現・松江市長の上定昭仁さんが音頭をとり、学校に掛け合い、同じく保護者だったプロの声楽家・大貫浩史さんの協力も得て誕生した男声合唱団が「まきばメイルクワイア(まめクワ)」です。今年で結成11年目を迎え、レパートリーは20曲以上あります。日本語の歌だけでなく、英語、ドイツ語、イタリア語の歌も歌っています。
インタビューの様子
イベント参加を目標に練習
メンバーの多くは歌を本格的にやっていた経験がありません。そのためまずは1人で「赤とんぼ」を歌って、大貫先生にその場でパート分けを行っていただきます。コロナ禍で活動ができないこともありましたが、例年冬場に行われる区の「合唱のつどい」に参加することを目標として練習に励んでいます。舞台に立ち、歌を披露するという目標があることで、練習にも力が入ります。本番までおおよそ1、2ヶ月で仕上げていきます。
楽譜を読めない人は、先生がパートごとに録音してくださったものを耳コピで覚えています。楽譜を読める方もいらしてパートのリーダー的な役割を果たしてもらっています。
発表する場の広がり
「合唱のつどい」だけでなく、小学校のPTA 総会後に発表する機会をいただき、歌を披露してメンバーの勧誘をしてきました。2014年頃からは高齢者施設で歌うこともあり、社会人落語家の葵家金太郎こと水野さんが、やはり同校の保護者であったご縁で共演し、合唱メンバーに加わっていただきました。今では、合唱と落語のコラボ企画も行うようになりました。
写真:文京区合唱のつどい
100年続く活動を!
子どもたちが成長し、学校が主な活動場でなくなっても、私たちにとっては子どもたちの学校が母校のような感覚になっています。合唱を通しての絆は深く、転勤などで一度離れても、また一緒に歌おうと再び参加してきているメンバーもいます。合唱だけでなく、今ではバンドを組んでライブに参加したり、まめクワの伴奏をしたりと、別の楽しみも広がっています。
目標を持ちつつ、楽しく活動を続けることが大切だと感じています。親同士が仲良く、ひとつの目標に向かって活動している姿は子どもたちにとっても、安心感につながってきたと思います。
校庭の芝生化の様子
また、私たちにはオリジナルソングが何曲かあります。それは小学校の先生が書いた詞に、大貫先生の知り合いの作曲家の方がメロディーをつけてくれたものです。そういった、多くのご・・縁に支えられながら続けていけることは素晴らしいと思っています。私たちのモットーは“100年続く活動を!”です。校庭を耕すことから芝生が広がっていったように、ご縁をつなげていけたらと思っています。
そのため、今やらなければならないことを考えつつ、仲間とともに歌う喜びを求めていきたいです。ゆるーく長く!!
このページを執筆したセカンドステージサポートゼミのみなさんと一枚
\ 取材後記 /
「芝生をつくってみよう」というところから始まり、ソフトボール、合唱、落語、、、と次々にステージを広げられていくお話には終始驚かされました。
お二人からは、子育て同様、活動をする自分自身が楽しむことの大切さを教わりました。まさに「素敵なお父様」という印象でした。目標を掲げて常に前進していらっしゃるまめクワのみなさんは、これからも活動の幅を広げて、人生を楽しんでいかれることと思います。