\ interview /インタビュー
菊本多嘉さん コーラス椿
一歩踏み出すことが大切
コーラス指導に至るまでの歩み
バレーボールをやりたくて、高校を選び、インターハイ優勝、全日本の選手として海外遠征に参加するまでに至りました。結婚して文京区に住むようになり、過去の経験をかわれ、体育指導員となりました。ママさんバレーの指導やビーチボールの導入などにも関わりました。大家族でもあり、家庭を大事にしつつ、周りの助けを得ながら自分の関われる範囲でやってきました。
母が詩吟の指導をしていたこともあり、小さい頃から、音楽に囲まれた生活をしていました。そんな私にコーラス指導の声がかかり、それをきっかけに2つのグループ「コーラス椿」「和輪羽(わわわ)」を立ち上げました。子どもから、90歳!の高齢者まで幅広い仲間と共に、歌を歌うことの楽しさを知ってもらおうと活動しています。また、文京福祉センター江戸川橋より多世代間で交流できる歌の会について相談を受けたことをきっかけに、月に一回「みんなで歌いましょう♪」の進行をしています。毎月季節に合わせた曲目を考え、参加される方が楽しめるよう工夫をしています。
「コーラス椿」の様子
「みんなで歌いましょう♪」の様子
コロナ禍での活動
コロナ禍、感染拡大防止から歌うことそのものができなくなりました。歌詞を歌うことはできなくても、口を閉じてハミングでメロディーを歌うこと、ハンドベルを演奏することはできると考え、工夫をしながらやっています。時には歌えなくても、歌にまつわるエピソードを新聞などで仕入れ、それをお話しするなどもしています。
歌うことは、呼吸や筋力も鍛え、健康な体を維持する上で役立っています。何より、毎回楽しかった、来てよかったと思っていただけるよう、幅広い選曲を心がけ、身振り手振りの入る童謡などもみなさん楽しんでくださっています。
また、年に一度は、日頃の練習の成果を発表する場でスポットライトを浴びる機会を作っています。
地域活動の中で立ち上げた、「和輪羽」という子どものグループでは、障がいがある子も参加していますが、自然に助け合っている姿も目にすることができ、互いに良い経験になっていることを感じます。
歌うことが明日への活力
様々な活動をする中で、時間を上手に使えるようになりました。明日のこと、明後日のことを考えながら、今日を生きているという感じです。
個人的に大変なこともありますが、コーラス指導のために、講習会、講演会に自ら足を運んでいます。資料作りのため、パソコン操作も覚えました。何かのために努力する姿勢は体に沁み込んでいるので、あまり苦労を感じることなく、30年以上継続できているのだと思います。
これから、地域で何かをやりたいと思っている方には「一歩足を踏み出すことが大切です!」と言いたいです。同じことに取り組み、話し合える友達を作ることが「自分は一人ではない」という思いに繋がります。以前ある方から、「美しく老いなさい」という言葉をいただきました。このいただいた言葉は外見の美しさではなく、心の美しさだと思っています。今日を生きたことに感謝し、明日も幸せでありますようにと祈りながら一日を終える、そんな生活を心がけ、元気でいる限りこの活動を続けていきたいです。
このページを執筆したセカンドステージサポートゼミのみなさんと一枚
\ 取材後記 /
地域の方に歌声と笑顔を届けていらっしゃる菊本さん。
様々な団体の音楽を指導されている優しいお人柄に心惹かれ、お話がとても弾みました。
なかでも、「和輪羽」と名付けた小中学生を対象にした活動では障がいのある子も参加していて、未来の子どもたちに夢を与えていらっしゃるお姿に感動しました。